絵本の部屋絵本のお部屋です。メルマガに紹介するために書いたものをちょっとだけ変えて… ア行 『おまえうまそうだな』 宮西 達也作 ポプラ社 生まれたばかりの恐竜・アンキロザウルスの赤ちゃんに、 「おまえ、うまそうだな」と襲い掛かろうとしたティラノザウルス。 すると、赤ちゃん恐竜は、なんと、自分の名前は「うまそう」だと思いこみ、 さらに「お父さん?」と、ティラノくんにつきまとうようになりました。 本当は、自分の獲物になるはずだった赤ちゃん恐竜。食べてしまいたいでし ょうに、一生懸命、本能をおさえようとするティラノくんがとてもいじらし いお話です。作者は『お父さんはうるとらまん』シリーズの宮西たつやさん。 おもしろくないわけがない、ですよね。 カ行 『かっくん どうして ボクだけ しかくいの?』 クリスチャン・メルベイユ作 乙武洋匠訳 講談社 まんまる家族がおりました。まんまる家族は、家族全員誰もがまんまる。 それなのに、今度生まれたこの子だけはしかくい体をしています。 しかくいから、「かっくん」、そう呼ばれました。かっくんはまんまる兄弟のでき ることが出来ません。坂道を転がる事も、おしくらまんじゅうで身体をぶつけ合う事も。 しかくいから転がらないし、身体に触れると角に当たって痛いからです。 「あっちへいけよ」一人寂しいかっくんです。 どうして僕だけしかくいんだろう?他の皆はまんまるなのに。 こういう経験誰にもありますね。どうして自分は?自分だけ違うんだろう? だけどかっくんには、しかくいからできるステキなことがあったのです。 人とは違うというコンプレックスが強みに変わる瞬間、かっくんといっしょに味わってください。 人と違ってもいいんだね、人と違う事はステキな事でもあるんだね。 『ぐりとぐらのえんそく』 中川 李枝子作 山脇 百合子絵 福音館書店 野ねずみのぐりとぐらは、大きなリュックをしょって、遠足にでかけます。 足に何か絡まって、2人とも転んでしまいました。絡まっていたのは毛糸です。 たぐってたぐって、毛糸を巻いていく先に見えるのは、森の向こうの一軒家。 巻いて巻いて、転がすほど大きくなった毛糸玉。 はてさていったい、毛糸は2人をどこへ連れて行くのやら。 以前読んだ時には気づかなかった、小さな発見をした私。 それはね、絡まった毛糸のせいで転んだ二人の足。とっても小さくて可愛いの! 枕草子ではないけれど、子どもができてからというもの「なにもなにも小さきも の、皆いと美し(可愛い)」なんですよね(笑) 「♪いくらリュックが おもくても くたばらないぞ ぐりとぐら ぐり ぐら ぐり ぐら♪」 サ行 『さむがりやのサンタ』レイモンド・ブリッグス作/絵 福音館書店刊 子ども達に夢を与えるサンタクロース。でもサンタだって苦労はあるんだよ。 なんせあの雪の中から、全世界へたった一晩でプレゼントを配るんだもの! 百聞は一見にしかず、まぁ一度手にとって開いてみてね。 中はこま割のマンガ仕立てになっていて、そこにはなんとも人間臭いサンタの一日が描かれているの。読んでいて気がついたら、「そうだよねぇ」ってうなづきながら、ニヤニヤしている私がいた(笑)いやはや、どんな職業も楽じゃないのね。 『じごくのそうべえ』 田島 征彦作 童心社 とざいとうざい、かるわざしのそうべえ、いっせいいちだいのかるわざでござぁーいぃ。 今やこんな掛け声のもと、見世物を見ることも少なくなりましたね。 まして、おじいちゃん世代から落語を聞かせてもらえる子ども達って、どのくらいいるのでしょう? この本は上方落語のネタ「地獄八景亡者戯」をもとにしたお話です。 かるわざの最中に綱から落ちて死んでしまったそうべえ、亡者達と一緒に地獄をめざします。えん魔様のお沙汰で地獄行きが決まったそうべえ達は、生前職業としていた能力を生かし、なんとどの地獄の責め苦もへっちゃらです。次から次へと地獄をくぐり抜けるそうべえ一行。 鬼たちを出し抜く様はとっても痛快。落語だから、愉快軽快、ちょっと噺家さんになったつもりで抑揚をつけて読んでみてね! 『そらまめくんのベッド』 なかや みわ作 福音館書店 そらまめくんの宝物は、さやのベッド。「くものように ふわふわで わたのように やわらかい」そんな素敵なベッドに「眠らせてよ」、仲間たちがお願いしても、そらまめくんは誰にも使わせようとはしませんでした。 ある日、大事なベッドがなくなってしまったそらまめくん!自分の寝場所を失い、探し回る彼に、仲間たちは皆、貸してくれなかったバツだと言うのです。途方に暮れたそらまめくんが見た光景は… ふだん捨ててしまって、気にも止めない「豆のさや」をベッドに見立て、こんな素敵なお話ができるなんて! イラストも可愛い。そして、ベッドを見つけたものの、仕方なく貸してあげることにしたそらまめくんが学ぶ優しさ… 入園して、お友達作りに困惑気味だったな長女に読んであげた本です。そらまめくんの意地悪が招いた仲間たちの不評を、母の思惑どおりに感じてくれたかどうかは不明です(笑)。 タ行 『となりのたぬき』 せな けいこ作・絵 鈴木出版刊 うさぎは隣のたぬきが大っきらい。あんなこともこんなことも、意地悪たぬきにしてやりたい! 口にも出して言ってみた。「きらい、きらい、だいっきらい!」。 すると、空の上で聞いていたお月様が、うさぎの願う通りのことを、たぬきにしてくれるというのです。一つだけ、お月様との約束を守ることと引き換えで。 うさぎは約束どおり、たぬきにひと月間だけ、うんと親切にします。するとどうでしょう、今まで意地悪だったたぬきが、少しづつうさぎに優しくなったのです!嬉しさを感じながらも戸惑ううさぎ。たぬきはもう、意地悪たぬきではありません。「どうしよう、どうしよう、ちょうどひとつき、たっちゃった」相手の態度は自分の鏡なんて言いますよね。「優しくしようね?」「おかあさんもね!」、むむむ。 ラ行 『ラチとライオン』 マレーク・ベロニカ文/絵 福音館書店 ラチは、世界中で一番の弱虫。いつも一人で泣いているラチ、そう、友達でさえ怖いもんだから、仲間外れにされて独りぼっち。そんなラチの前に、赤い小さなライオンが現れ、ラチは強くなる特訓を始めます。 とうとうラチが強くなったことが証明された時、ライオンの姿は消えてしまいました。うちにも、暗闇を怖がる男の子が一人。ラチの勇気の素はライオン。うちの子にも勇気の素が欲しいな。何かきっかけがあって自信がつく、それまでの過程が大事だよね。うーむ、私がならなきゃダメかな、ライオン~ *雑貨屋さんにこのM・ベロニカの絵葉書やポスター売ってるよね、かわいいの! ジャンル別一覧
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